チェンソーは
使ったらメンテナンスしよう!
チェンソーは当然のことながら機械の一種であるため、使用後は必ずメンテナンスが必要だ。
どんなに高性能なチェンソーであっても、メンテナンスを適切に行わなければ、性能を発揮できなくなり、故障しやすくなったり、製品寿命が短くなることも。安全性が損なわれることも問題だ。
メンテナンスのなかでも、チェンソーの切れ味を左右する重要な作業が「目立て」だ。
そもそも”目立て”とは?
今更ながらだが、チェンソーとは、チェーン状の刃物(ソーチェン)をエンジンの力で回転させて木を切断する道具のこと。ソーチェンは刃物であるため、使用すれば切れ味が下がる。そこで、元の切れ味を取り戻すために行うのが”目立て”だ。
使用後に目立てを行わないと、切断の効率が悪くなったり、切り口が美しくなくなるといった不具合が生じる。パワーで無理やり切ることができても、燃料を多く使うことになったり、ガイドバーの摩耗を早めてしまうなど、チェンソーの寿命にも影響してくるのだ。
こうした不具合が起きないようにするためにも、チェンソーの使用後には目立てを行う必要がある。
目立てに必要な道具は?
●STIHL シャープニングキット
¥3,630(2023年1月現在の税込希望小売価格)
目立てに必要な道具一式がセットになった『シャープニングキット』。やすりホルダー、丸やすり、平やすり、ファイルゲージ入り。収納と持ち運びに便利なポーチがセットに含まれる。チェンサイズに応じてラインナップされているから、自身が所有するチェンソーでチェンサイズを確認して入手してほしい。
●STIHL 2-in-1 やすりホルダー
¥6,930(2023年1月現在の税込希望小売価格)
1回の作業でチェン刃とデプスゲージを同時に研げる実用的なツールが『2 in 1 やすりホルダー』だ。時々しか使用しない農業生産者には最適なツールと言える。こちらもチェンサイズに応じてラインナップされているから、自身が所有するチェンソーでチェンサイズを確認して入手してほしい。
●STIHL バークランプ S 260
¥3,520(2023年1月現在の税込希望小売価格)
目立てを行う際に、あるととても便利な道具が、このバークランプ。木に打ち込んで固定し、チェンソーのガイドバーを挟んで作業する。手で支えるよりも無駄な力を必要とせず、しっかり安定するので、目立ての正確性がアップする。大きいサイズのL 700(¥4,950(2023年1月現在の税込希望小売価格)) もある。
目立てのやり方は?
①一番小さな刃から研ぎ始める
まず最初にすべきことは、一番小さい刃(カッター)を探すこと。ソーチェーンの刃の大きさを揃えるため、一番小さな刃から研ぎ始めるのだ。刃の大きさにバラつきがあると、スムーズに伐ることができなくなる。
一番小さな刃を見つけたら、マジックなどで印をつける。続いて、作業するソーチェーンのピッチに合ったサイズの丸ヤスリとファイルホルダーを用意。ハンドガードは倒した状態にしてチェンブレーキを効かておこう。そしてガイドバーをクランプなどで固定する。倉庫に万力などがあれば、そこにセットするとやりやすいだろう。
②角度は30度を維持したままに!
早速研ぐ作業に入る。丸ヤスリをファイルホルダーとセットで使用して、必ず刃の角度である30度を維持したまま、ゆっくりと手前から奥に向かって一方通行で押し出すように研ぐ。押し出したら絶対に引き戻さず、目立て作業は一方通行。これが鉄則だ。
『2 in 1 やすりホルダー』を使用した場合は、刃とデプスゲージを同時に研ぐことができるので、後に紹介するデプスゲージを削る作業を省略できる。ぜひ、使ってその利便性を体感してほしい。
③この作業を繰り返す
一番小さな刃を研いだら、同じように全ての刃を研いで行く。なお、はじめに記載した通り、切れ味を保つにはソーチェーンの刃の大きさを揃えることが重要だ。
一番小さい刃は整える程度に、大きな刃は多めに研ぎ、一番小さい刃の大きさに揃えるようにする。『2 in 1 やすりホルダー』を使用していれば、これで目立て作業は終了だ。
一般的な丸ヤスリ+ファイルホルダーを使用して作業した場合は、目立てが終わったら、ファイリングゲージを用いてデプスゲージの飛び出し量を測定する。デプスの飛び出しが多い場合は平やすりで削ろう。デプスゲージは削り過ぎてしまうと、キックバックしやすくなるので注意が必要だ。
▼詳しいやり方は動画でチェック!
①STIHL シャープニングキットを使用した場合
②STIHL 2-in-1 やすりホルダーを使用した場合